Presented by NAFL 日本語教師養成通信講座
  ことばの仕組み(文法)

分類:副詞(なるべく)
「なるべく」と「できるだけ」はどう違う?
 「できるだけ」と「なるべく」は非常に似通った意味を持っています。日常的にはこれらはほぼ同じ意味・用法で用いられ、「使い分け」と言えるほど目立った違いはないように見えます。しかし、よく観察すると微妙なニュアンスの違いがあるように思われます。

 すなわち、どちらも「可能な限り」という意味では共通しているものの、「できるだけ」に比べて、「なるべく」のほうは「頻度を持たせる」という解釈が強くなる傾向があるようです。次の例を見てみましょう。

  a. できるだけ小さく切った紙片を貼り付けて下さい。
  b. なるべく小さく切った紙片を貼り付けて下さい。

 a では普通「できるだけ」は「小さく切った」にかかる解釈となりますが、b の場合は「小さく切った」あるいは「小さく切った紙片を貼り付ける」のいずれかにかかる二通りの解釈があります。

  [できるだけ[小さく切った]]紙片を貼り付けてください。
  [なるべく[小さく切った]]紙片を貼り付けてください。
  [なるべく[小さく切った紙片を貼り付けて]]ください。

 つまり前者は「可能な限り小さく切った紙片」を貼るという解釈であるのに対し、後者は「大きいのではなく小さいほうを貼るようにする」という解釈となります。つまり「できるだけ」は「紙片の大きさ」に「小さい」という程度を持たせる意味を表そうとするのに比べ、「なるべく」はこれに加えて「小さいのを貼り付けるようにする」という頻度・傾向を持たせる意味を表そうとするという違いが見られます。

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