Presented by NAFL 日本語教師養成通信講座
  ことばの仕組み(文法)

分類:副詞(せっかく)
「せっかく」と「わざわざ」はどう違う?
 「せっかく」「わざわざ」は、意図的にあえて何かをするという意味では共通していますので、次のような文においてはいずれも許容可能です。

  せっかく/わざわざ 来てもらったのに留守にしていて悪かったね。
  せっかく/わざわざ 教えてやったのに、ちっと聞いていない。

 ところが、両者は次のような違いをもちます。

  せっかく:後に続く事柄が、望ましいものとして評価されている。
  わざわざ:後に続く事柄が、困難・労力を伴うものであり、本来する必要がないと考えられている。

 したがって、次のような文では「せっかく」「わざわざ」を入れ換えることができません。

  せっかく鎌倉に来たのだから、長谷まで足を伸ばそう。
  せっかくですから、遠慮なくいただきます。
  彼がわざわざ出向くからには何か理由があるはずだ。

 この違いは、「せっかく」「わざわざ」が「せっかくの」「わざわざの」という形式で連体修飾をする場合にも見てとれます。

  せっかくの休みなんだから、どこかに出掛けよう。
  せっかくのご親切を無にして申し訳ありません。
  わざわざのおいで、たいへん恐縮です。

 「休み」「ご親切」は話し手によって望ましいと判断された事柄を表していますし、「おいで」は労を伴う相手の行為を表しています。また、「わざわざの」は「せっかくの」に比べて生産性が低く(形式化が進んでおり)、後に続く名詞が「せっかくの」ほど自由ではないようです。

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