Presented by NAFL 日本語教師養成通信講座
  ことばの使い方(社会言語学・敬語)

分類:その他
「お世話様です」と「お世話になっております」はどう違う?
 まず、表現として「お世話様です」という言い方が日本語として可能かどうかという点について言えば、これは特に問題のない表現であると言えます。

 では「お世話になっております」を用いる場面で、同じように「お世話様です」という表現を用いても適切であるかどうかについて考えてみましょう。「お世話になっております」と「お世話様です」というのは、基本的に日頃世話になっている相手に対する感謝の意の表明であるという点においては同じものと言えます。しかしその一方で、「お世話様です」は「お世話になっております」に比べ若干用いられる範囲が広いという違いがあります。例えば次のような場合「お世話様です」は使えますが、「お世話になっております」は使えません。

  ○○便です。お届けのお荷物こちらに置いておきます。
   −あ、どうもお世話様です。
  ×−あ、どうもお世話になっております。

 つまり「お世話様です」は日ごろの感謝を表す以外に、仕事を依頼した人や自分に対して何かしてもらった人に対して「ご苦労様」という意味で用いることもあるということです。

 さて、会社などで電話をとった場合に「お世話様です」を用いるのが気になる原因について考えてみます。まず「お世話になっております」というのに比べ「お世話様です」では表現が短い分無愛想な印象を与える気がするという可能性があります。次に、先に述べたように「お世話様」には「ご苦労様」という使われ方もあるので、相手に失礼な印象を与える気がするという可能性もあります。

 「お世話様です」と「お世話になっております」は、表現自体はどちらを用いても不適切ではないと思われますが、人によっては上述のように無愛想または失礼という印象を受ける可能性が全くないとは言えません。したがって気心の知れた相手でない場合は、「お世話になっております」を用いたほうが無難であると言えるでしょう。

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