Presented by NAFL 日本語教師養成通信講座
  ことばの使い方(社会言語学・敬語)

分類:謙譲語(伺う)
「伺う」と「参る」はどう違う?
 「伺う」も「参る」も、自分あるいは自分の側に属する人の行為を謙っていう場合に用いるという点では同じです。したがって、自分がどこかに「行く」という場面では、「伺う」を用いても「参る」を用いてもかまわないといえます。

 ところが、次のような場面では、「伺う」を用いることが難しいように思われます。

  天気もいいし、散歩にでも参りましょう。
  連休を利用して仙台に参りました。

 「参る」と違って、「伺う」は「行く」先に敬意を払うべき相手がいなければ用いることができません。言い換えると、「参る」は聞き手に対する配慮から自らの行為をへりくだるものであるのに対して、「伺う」は行為の相手に対する配慮から自らの行為をへりくだるものであるという違いがあります。したがって、次の例に見られるように、「行く」先に相手がいても、その相手が身内など敬意を払うべき相手でなければ、「伺う」の使用が不自然なものとなります。

 ?日曜日、久しぶりに兄の家に伺いました。
  日曜日、久しぶりに兄の家に参りました。

 ご質問の場合は、敬意を払うべき行為の相手である聞き手に対する発話です。「参る」が間違いであるとはいえませんが、「伺う」を用いれば「行く」先に敬意を払うべき相手(すなわち聞き手)のあることが明示されることになります。

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